性交痛とは？
性交痛の部分と原因
性交痛は、大きく分けて浅い部分と深い部分の2種類の痛みに分けられます。
外陰部・膣の浅い箇所が痛い場合
浅い部分の痛みは、乾燥による肌への刺激や皮膚疾患、膣炎などの原因が考えられます。
乾燥
膣が乾燥している状態で挿入しようとすると、どうしても痛みを感じやすくなってしまいます。
乾燥の原因は人によってさまざまです。
例えば睡眠不足やストレスで潤いが足りていなかったり、ホルモンバランス的に乾燥しやすい時期であったりすることもあるでしょう。
潤いや弾力性のない状態では、外陰部が傷ついてヒリヒリしたりかゆくなったりします。
皮膚疾患
外陰部にかぶれなどがある場合、痛みを感じることがあります。
また、梅毒やカンジダ、トリコモナスといった性感染症を患っていると痛みを生じるかもしれません。
膣炎
膣の中が痛む場合は、膣炎が原因です。
膣炎の原因は性感染症や萎縮性膣炎などがあります。
性感染症によるトラブルは、おりものの変化やかゆみ、皮膚の違和感、不快感、頻尿などの症状から判断できます。
気になる症状がありましたら、早めにクリニックで検査を受けるようにしてください。
奥の方が痛い場合
性交時に奥の方が痛いという場合、さまざまな病気が隠れているリスクがあります。
子宮内膜症
子宮内膜症とは、子宮の内側にある子宮内膜が、それ以外の場所にもできてしまうという病気です。
子宮内膜症によって子宮や卵巣に癒着が生じてしまうと、性行為で子宮に振動があった際に痛みを感じることがあります。
子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮の中にできる良性の腫瘍のことを指します。
性交痛の他にも、生理痛がひどくなったり貧血が起こりやすくなったりと、いろいろな症状が現れます。
放置しておくと健康へのリスクや日常生活への支障につながるため、早めに受診しましょう。
骨盤内炎症性疾患
子宮や卵管、卵巣などでクラミジア感染が起こったり、淋菌感染症にかかったり、骨盤腹膜炎でも性交痛が起こります。
骨盤内の癒着
虫垂炎や卵巣のう腫、子宮筋腫、子宮外妊娠などの手術を行ったのち、骨盤内で癒着があると性交時に痛みを生じることがあります。
性交痛による受診の目安
性交痛の原因は一概に「これ」と言い切ることができません。
さまざまな原因があるため、気になることがありましたらまずはクリニックを受診してください。
特に、以下のような症状がある場合には受診を検討してください。
- ・痛みがひどすぎて性行為自体ができない
- ・性行為後、徐々に痛みが強くなっている
- ・おりものの変化、かゆみなど、痛み以外の症状がある
- ・腹痛など、デリケートゾーン以外にも痛みや違和感がある
性感染症による性交痛は、お薬で治療を行うことで改善できるでしょう。
また、婦人科の病気があった場合には、早い段階で治療を開始することで負担を軽減することができます。
性交痛とは、性交時に感じる痛み全般を指します。
性行為中やその後に痛みを感じたり不快感が残ったりすることを指し、女性の5人〜10人に1人は経験があると言われています。
痛みのせいでパートナーとうまくいかなくなってしまうなどのリスクはもちろん、女性特有の病気が原因となっているケースもありますので、気になる際はクリニックを受診しましょう。