女性の便秘や痔について
便秘の種類と原因
便秘には大きく分けて機能性便秘と器質性便秘の二つがあります。
機能性便秘
機能性便秘とは生活習慣やストレス、加齢などの要因から便通が乱れてしまうことを言います。多くの方が悩む便秘症状は、この機能性便秘であると考えられます。
器質性便秘
器質性便秘は、腸の病気や腫瘍などで便が正常に排出できない状態を指します。
女性の場合は子宮筋腫によって便の通りが悪くなるケースも多く見られます。
女性が便秘になりやすい原因
機能性便秘は男女問わず起こり得るものですが、女性の方が症状に悩まされているのはなぜでしょう。実は女性の体は、便秘になりやすいリスクを抱えているのです。
女性ホルモンによる作用
女性ホルモンの一つ「黄体ホルモン」は、大腸の働きを抑える役割を担っています。
そのため、排卵から月経までの期間は便秘になりやすくなってしまうのです。
筋力不足による便秘
腹筋は便を押し出すのに必要な筋肉なので、筋力のある男性と比べると便秘になりやすいと言われています。
ダイエットや水分不足
食事を制限することで便の量が減ったり、食物繊維が不足したりすると必然的に便秘になってしまいます。
また、ダイエットの際に水分まで減らしてしまうという方もいますが、水分不足になると便が硬くなり排出されづらくなってしまうので注意が必要です。
痔の種類と原因
痔は、男女問わず起こり得るお尻のトラブルです。
痔には大きく分けて3つの種類があり、それらの症状に合わせた治療やケアが必要です。
痔核(いぼ痔)
肛門にいぼができる痔を痔核と言います。
痔の中では半数以上を占めるメジャーな症状で、痛みや自覚症状がない方も少なくありません。進行すると外科処置が必要な場合もありますが、お薬で治癒する方も多くいらっしゃいます。
裂肛(切れ痔)
裂肛は、肛門の皮膚が切れて出血してしまうケースの痔です。
痛みが出やすく、治りにくいという特徴があります。
治療は、基本的に座薬や軟膏といったお薬で患部の治癒を行っていきます。
痔瘻
肛門で細菌感染が起こった場合、肛門内の直腸と肛門周辺の皮膚に膿のトンネルができることがあり、これを痔瘻と言います。
痔瘻はお薬での治療ができないため、早めに肛門科を受診するようにしましょう。
女性が痔になってしまう原因
痔というと男性のトラブルというイメージを抱く方もいらっしゃるかと思いますが、実は女性の方が痔になりやすい事情を抱えているといえます。
女性ホルモン起因の便秘
黄体ホルモンの分泌によって便秘症になってしまうと、便が硬くなり排便時に裂肛のリスクが高まってしまいます。また、ダイエットなどが原因で便秘体質になってしまう女性も多いなど、便秘が痔を誘発しているケースは少なくありません。
妊娠や出産
妊娠中は血液が腹部に集中するため、お尻周辺の血流が悪くなることがあります。
また、分娩時に強くいきむため、痔核ができてしまうというケースもあります。
冷え性
冷え性で下半身の血流が悪くなってしまうという方は、痔のリスクが高くなりがちです。
体を冷やさないように気をつけたり、こまめに体を動かして血流を促進したりしながらうっ血を防止していきましょう。
便秘で悩んでいる女性は、実はとても多いと言われています。
男性と比べると女性は約2倍の人が便秘症状について悩んでいるという調査結果もあるほどです。
また、便秘の悪化や妊娠を機に痔になってしまう女性も多くいらっしゃいます。
すえなが婦人科・産科クリニックでは「肛門科に行くのはちょっと抵抗がある…」という女性のお気持ちに寄り添いながら、便秘解消や痔の改善についてアドバイスを行っています。